”If I ain't got you”から三角形を弾いてみる
”If I ain't got you”
まだニューヨークに来て間もない頃だったと思う。
34丁目の辺りでたまたま入ったコーヒーショップの店員さんが、アリシア・キーズの"If I ain't got you"の替え歌でコーヒーのオーダーを取っていた。
こんな具合に。
Some people want a tall iced coffee
Some people want a caramel macchiato
日本ではあまり見られない光景かもしれないが、私はこんなユーモアが大好きだ。
アリシア・キーズの"If I ain't got you"、もしあなたがピアニストでシンガーの知り合いが多ければ少なからず弾いたことがあると思う。
弾いたことがなくてもあの印象的なイントロを耳にしたことはあるはず。
3拍子の上に3連符がいっぱい。
これだけ3が多いので三角形にしてみようと思う。
三角形を弾く
三角形を弾くのは丸を弾くよりずっと簡単だと思う。
なぜなら、三角形には三つ点があるしピアノ上で三点弾くことはとても簡単だから。
例えば、最初の右手の3連符を弾くとき、鍵盤を触る指がすでに三角形を作っているように。
上の図のように高音から三角を描き続ければ、"If I ain't got you"のイントロはとても簡単に弾けるだろう。
次に楽譜上で三角形を表してみよう。
私はこんなふうになるんじゃないかと思う。
CM7とBm7はこんな淡い色の印象を受ける。
じゃあ、もしこんな楽譜だったらどんなふうに弾く?
形から曲を作る
作曲の方法には色んなやり方がある。
たとえば、メロディから作ったり、ベースラインを先に決めたり、コード進行や理論から考えたり。
その一つにシェイプから作るっていうのがあってもいいんじゃないかと思う。
まず五線譜に図形を撒き散らしてみるのだ。
それはとっても 独創的で面白い曲になりそう!
絵を描くようにピアノを弾く
ピアノで丸弾いて?
いろんな楽器の中でも、ピアノを演奏する人が一番多いんじゃないかと思う。
学校中さがしてもチェロ弾きはなかなかみつからないけど、ピアノが弾ける人ならクラスに必ず何人かいる。
オーボエよりよっぽど身近だし(いつかオーボエを習いたいと思っているが、残念ながら今のところ私の人生には現れていない)、誰が触っても必ず音が出る。(そこがイイ!)
そんなお手軽なピアノでも、もし
「ピアノで丸弾いて?」
と言われたら、どれくらいの人が弾けるだろう?
ある人は、戸惑いながら試行錯誤するかもしれない。
ある人は、そんなことできるか!と怒るかもしれない。
またある人は、聞かなかったことにしてバッハの世界に帰っていくかもしれない。
あなたならどうする?
丸を弾いてみよう!
とにかくまず弾いてみよう。
何でもいい、丸っぽいやつ。
とりあえずこんな感じ?
あるいは...
これでも丸になるかな?
視覚的に丸?
あるいは、あなたの丸は私には想像もつかない素敵な丸かもしれない。
それにしても、楽譜を閉じたままピアノの前に座って自分で好きな音を探すのは、なんて楽しいんだろう!
まちがいなんてない!
きっと丸の弾き方は、弾く人の数ほどたくさんあるだろうし、そのどれもが丸!
問題は正しいかどうかではなくて、自分でそれを丸だと思うかどうか。
もし思うなら、もうそれは丸!
だから、そんな弾き方わからないよーと心配しなくても自分が思えばそれでOK。
何弾いたって誰も怒らないから。
だってまちがいと同じで、正解なんてないんだもん。
さぁ次は何を弾こう?