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音楽をもっと自由に 〜音楽理論や作曲のこと〜

Short Escape:「グランドエスケープ 」のリズムから曲を作る

もうすっかり北海道では冬になってしまったけど、今年の夏に「天気の子」を見に行った。

キレイな曲がいくつもあったけど、その中の「グランドエスケープ 」という曲のインロトのリズムがとても興味深かった。

「グランドエスケープ」イントロ解析

帰ってきてから、採譜してみると、イントロの途中から出てくるキンキンしたような?楽器?の音が不思議なリズムをとっていた。(上の予告の後ろの方でなっている音)

楽譜にすると、こんな感じ。

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下段のピアノの音は1小節分の16分音符を3:3:3:4にしたリズムでキレイに並んでいる。

問題は上段だ。

32分音符とか出てきちゃうと、細かすぎてわかりずらいの倍の長さにしてみる。

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倍の長さなので、1小節の長さは2小節分になる。

これでもまだゴチャゴチャしているので、飾りのような音は省略してしまおう。

 

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ここまで見やすくすると、ようやく法則が見えてくる。

上段のリズムはどうやら16分音符の単位で4:3:3:3:3になっているようだ。

 

楽譜的にもっと16分音符の4:3:3:3:3を見やすくするには、こんな書き方がオススメ。

 

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あるいは、こんなふうに書くこともできる。

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仕組みがわかったので、元の音符の長さに戻して練習してみよう。

 

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なんだかとっても複雑に見えるけど、右手と左手が出会うポイントが多いので意外とできちゃうかもしれない。

飾りの音を省略しているので少し音が違うけど、これでも「グランドエスケープ 」の不思議なリズム感は十分味わえる。

 

リズムから作曲

今回はこの

右手(単位:32分音符)[4:3:3:3:3]×2

左手(単位:16分音符)[3:3:3:4]

リズムを使って曲を小さな練習曲を作ってみた。

 

グランドエスケープのように壮大でもないし、音域的にも調性的にもあまりエスケープしないので、タイトルは「Short Escape」。

ほんのちょっとだけエスケープ。

東京から鎌倉一泊旅行みたいな。 

 

右手[4:3:3:3:3]、左手[3:3:3:4]の不思議なリズムが身につくので、ぜひ練習に活用してください。

 

鎌倉一泊旅行的なショートエスケープしたい方にもオススメです。

 

楽譜→ダウンロード