5拍子っぽくないテイクファイブ(2:5ポリリズム)
つい先日、ソロピアノで「テイクファイブ(Take Five)」を弾く機会があった。この曲は、アルトサックス奏者ポール・デスモンドが作った、有名な5拍子の曲。ポール・デスモンドは「テイクテン(Take Ten)」というテイクファイブの兄弟みたいな曲も書いているけど、残念ながらテイクファイブのようには有名にならなかったようだ。テイクテンの方が、湿度がカラッとしていて私は好きだけど。
今回は、有名なテイクファイブを、誰も聴いたことがないようなテイクファイブにしようと思って、2:5のポリリズムにアレンジしてみた。
2:5のポリリズム
テイクファイブの特徴的な5拍子のリズムは、よく見てみると「3拍子+2拍子」に分かれている。1小節の中に違う拍子が入っていることを「混合拍子」と呼ぶんだけど、テイクファイブのリズムは「3拍子+2拍子」混合拍子になっている。
5拍子は「3+2」あるいは「2+3」に分けられることが多いけど、等分じゃなく偏りがある分け方をすると、5拍子というよりは混合拍子に聞こえてしまう。それを避けたくて、今回は均等に2.5づつに分けてみる。
テイクファイブは4分の5拍子なので、1小節の中の音符は「4分音符5コ=8分音符10コ」。それを二等分にして「4分音符2.5コ=8分音符5コ」づつ分ける。
下の数字が5拍子で、上の数字は4分音符2.5コ(8分音符5コ)づつ分けた2拍子。
青いまるでマークしてある3拍目のウラを強調することで、5拍子を2拍子のように聴かせられる。
たとえばベースラインを2拍子みたいにするとこんな感じ。
左は3+2の混合拍子になっているテイクファイブで、右が2.5+2.5にアレンジしたもの。
右の2つの緑は、音は少し違うけど、長さもリズムも音の高低の並びも全く同じ。全く同じ2つのフレーズが1拍目からと、3拍目のウラから始まっているので、パッと聴いたかんじ2拍子に聞こえる。
2.5(8分音符5コ)づつフレーズを作ると2拍子に聴こえるのがわかったので、メロディーをどうにか2.5+2.5にのせていく。
拍に合わせるためにメロディを変形させているので、だいぶ聴いたことのないようなものになってきた。
もはやテイクファイブだかなんだかもわからなくなってきたけど、しつこいくらい2.5+2.5で、弾く分にはずいぶん楽しい。
5拍子の曲というとテイクファイブが有名だけど、テイクファイブのリズム=5拍子のリズムというわけではない。
「1+4」でも「1.5+3.5」でも「0.5+4.5」でも、とにかく合計が「5」になれるなら自分の好きなように分けてみるのも面白い。
2.5+2.5は、5拍子の感覚をつかむのにとってもいいし、あと5:2のポリリズムも一緒に覚えられる。
世の中には4拍子の曲の方が断然多いから、5:2のポリリズムの方が使う機会が多いかもしれない。
2:5のポリリズムの練習がしたい人、普通じゃないテイクファイブを弾いてみたい人はぜひ「テイクファイブ(2.5+2.5)」をためしてみて下さい!
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