pianeco

もっと自由に音楽したい人へ。ニューヨークで学んだ音楽の話。

Robert Glasper Trio @ THE MET

THE MET

ニューヨークにある最も有名な美術館の一つ、メトロポリタン美術館。

観光スポットとしても有名で、いつでもいろんな国の人々で溢れかえっている。

入場料は"pay as you wish"という自分で金額を決められるシステムなので、いつでも気軽に行けるのも魅力の一つだ。

(ただこのシステムを知らないと$25とられるので行く際には要注意!)

何度となく訪れているけど、つい最近までここにコンサートホールがあるなんて全く知らなかった。

ここのホールは700席程のしっかりとした広さで、レトロ感はあるもののシートが若干リクライニングになるし、なかなかいい感じだった。

そこで見てきたのがそう、我らがRobert Glasper!!! YEEEEEAH!!!

 

クールな人々

メトロポリタン美術館とグラスパーというのは少し不思議な組み合わせのように思えたけど、本人も「彼ら(美術館サイド)はこういう音楽聴かないだろうね」と言っていたのでグラスパー的にも不思議なのかもしれない。

客層もずいぶん多彩で、年齢で言えば5〜6歳の子どもから上は80〜90歳くらいまでいたんじゃないかと思う。

割合としては半分以上が年配の方々で、杖をついたおばあちゃんや、おじいちゃん達がグラスパーの音楽に熱狂していた。

とってもクールだ!!

そういう歳の取り方をしたい。

 

 

超能力的なメンバー

メンバーは2015年の「covered」アルバムと同じ、Vicente Archer(Bass)とDamion Reid(Drum)。

このドラムのDamion Reidがすごかった。

スティックでちょっと頭かきながらぼんやりしてるかと思いきや、いつやって来るかもわからないグラスパーの突如のキメを一度も逃さないし、0.1秒だって遅れない。

もう予知能力とか、透視能力があるんじゃないかと思うくらいすごかった。

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You have to be happy of who you are

日本でもグラスパーのライブに行ったことがあるけど、今回はその時の3倍くらい喋っていてずっと笑わせてくれていた。

ただ、一曲だけ彼が涙を拭いていた曲がある。

「covered」の最後に収録されている「I'm Dying Of Thirst」という曲だ。

ラッパーのKendrick Lamarのカバーで、曲中にはグラスパーの息子とその友人の幼い声が入っている。

この曲を演奏した直後にグラスパーは「息子にはいつも泣かされる」と笑いながら、でっかいタオルでゴシゴシ涙を拭いていた。

でもこの曲の直後に涙を拭いていたのはきっとグラスパーだけじゃないはずだ。

この曲中でグラスパーの息子達が幼い声で次々と羅列しているのは、大きな人種差別問題となっている警官による射殺事件で命を落とした黒人たちの名前だ。

最後には「黒人であることを毎日誇りに思っている」、そして

「You have to be happy of who you are」

と締めくくられている。

言葉では表現しきれない力強さや深さが、音楽となってそこにいた多くの人たちの心を動かしていたと思う。

youtu.be

I'm Dying of Thirst

I'm Dying of Thirst

  • ロバート・グラスパー
  • ジャズ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 

Common

ライブの最後にはとんでもないサプライズが待ち構えていた。

グラスパーがマイク片手にラップを始めたのだ。

すごいなぁ、なんでもできるじゃないかと思っていると誰かがステージの袖から出てきてその日一番の歓声が沸き起こった。

一体誰なんだろうと思っているうちに彼の凄まじいラップが始まって、ラップというものを生で見たことがなかった私はとにかく圧倒されていた。

だけど、いや、待てよ、この人どっかで見たことある。

それがCommonだったのだ!

キアヌ・リーブスのJohn Wickシリーズの大ファンなので、目の前にいるのがChapter2に出てくるあの殺し屋だと気づいた時にはもう、もう、もう、大興奮だった! 

 

笑ったり泣いたり大興奮したりと、感情を動かされっぱなしのひと時だったけど、間違いなく今年一番のライブだった。

最高のクリスマスプレゼントだ。

でももしサンタさんが聞いてくれるなら、キアヌ・リーブスとルビー・ローズちゃんにも会わせてもらえないかなぁ。