pianeco

もっと自由に音楽したい人へ。ニューヨークで学んだ音楽の話。

Short Escape:「グランドエスケープ 」のリズムから曲を作る

もうすっかり北海道では冬になってしまったけど、今年の夏に「天気の子」を見に行った。

キレイな曲がいくつもあったけど、その中の「グランドエスケープ 」という曲のインロトのリズムがとても興味深かった。

「グランドエスケープ」イントロ解析

帰ってきてから、採譜してみると、イントロの途中から出てくるキンキンしたような?楽器?の音が不思議なリズムをとっていた。(上の予告の後ろの方でなっている音)

楽譜にすると、こんな感じ。

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下段のピアノの音は1小節分の16分音符を3:3:3:4にしたリズムでキレイに並んでいる。

問題は上段だ。

32分音符とか出てきちゃうと、細かすぎてわかりずらいの倍の長さにしてみる。

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倍の長さなので、1小節の長さは2小節分になる。

これでもまだゴチャゴチャしているので、飾りのような音は省略してしまおう。

 

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ここまで見やすくすると、ようやく法則が見えてくる。

上段のリズムはどうやら16分音符の単位で4:3:3:3:3になっているようだ。

 

楽譜的にもっと16分音符の4:3:3:3:3を見やすくするには、こんな書き方がオススメ。

 

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あるいは、こんなふうに書くこともできる。

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仕組みがわかったので、元の音符の長さに戻して練習してみよう。

 

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なんだかとっても複雑に見えるけど、右手と左手が出会うポイントが多いので意外とできちゃうかもしれない。

飾りの音を省略しているので少し音が違うけど、これでも「グランドエスケープ 」の不思議なリズム感は十分味わえる。

 

リズムから作曲

今回はこの

右手(単位:32分音符)[4:3:3:3:3]×2

左手(単位:16分音符)[3:3:3:4]

リズムを使って曲を小さな練習曲を作ってみた。

 

グランドエスケープのように壮大でもないし、音域的にも調性的にもあまりエスケープしないので、タイトルは「Short Escape」。

ほんのちょっとだけエスケープ。

東京から鎌倉一泊旅行みたいな。 

 

右手[4:3:3:3:3]、左手[3:3:3:4]の不思議なリズムが身につくので、ぜひ練習に活用してください。

 

鎌倉一泊旅行的なショートエスケープしたい方にもオススメです。

 

楽譜→ダウンロード

 

 

「5連符の雨をぬけて」 5:4ポリリズム

7月のおわりに、ものすごい雨の夜があった。

歩きはじめてすぐに小雨が降り出し、これくらいなら平気かなと思ってそのまま歩いていたら土砂降りになってしまった。

土砂降りの中20分歩いて、自宅についてすぐ雨が止んだ。

村上春樹じゃないけど、これ以上ないくらいの「やれやれ」だった。

 

その雨のせいか、その頃に作った曲が土砂降りのような曲になったので

「Through The Rain (of quintuplets) 5連符の雨をぬけて」というタイトルをつけた。

 

youtu.be

 

 

5と4のポリリズムの作り方

①5:4のポリリズムを作るには5と4の最小公倍数の数の音符が必要になる。

つまり20コの音符を1小節の中に入れる。

16分音符の5連符×4拍で20コの音符が作れる。

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②つぎに、20コの音符を「右手:4コづつ」「左手:5コづつ」でグルーピングする。

そうすると、右手は5つのグループ、左手は4つのグループができるので、それぞれのグループの最初の音(色が濃くなっている音符)が5:4のポリリズムになる。

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5と4のポリリズムエクササイズ

曲を弾く前に、準備運動的なエクササイズから初めてみよう。

①難易度☆☆

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まずはアクセントを気にせずに弾いてみよう。

リズムが体に馴染んできたら、アクセントをつけて弾いてみよう。

 

 

②難易度☆☆☆

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まずはアクセントも四分音符をも気にせず、16分音符だけ弾いてみよう。

慣れてきたら四分音符の音をのばしながら弾いてみよう。

それができたら、アクセントをつけて出来上がり。

 

タディキナトゥの使い方

上の二つのエクササイズが楽に弾けるようになったら、いよいよ曲を弾いてみよう!

 

前回の記事のオマケで少し書いたけど、インドのリズムのシステム「Takadimi」では

5=ta-di-ki-na-thom(タディキナトゥ)

という言葉なので、この曲を弾くときは「タディキナトゥ」を言うと弾きやすい。

「タディキナトゥ」っていう言葉がしっくりこない方は、好きな5音の言葉でもOK。

(例:「カタクリコ」「プチトマト」「タチクラミ」など…)

 

使い方はこんなかんじ↓

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見てわかるように、ずーっと「タディキナトゥ」(あるいは好きな5音の言葉)を言うことになるので、正直疲れるし息が切れる。

でも慣れれば楽にできるようになるので、最初が一番大変かな。 

 

はじめのうちは難しく感じるかもしれないけど、この5連符の雨をぬけたら、きっとあなたは5:4のポリリズムをマスターしているので、ぜひチャレンジしてみて下さい!

 

 

Enjoy!!

 

*楽譜はこちら

 

 

 

 

 

「Sudovian Dance」素数を美しく割る

素数(そすう)とは、1 と自分自身以外に正の約数を持たない自然数で、1 でない数のことである (wikipedia

 

どうやらミュージシャンには素数好きな人が多いようで、5拍子、7拍子、11拍子など、素数拍子の面白い曲を作る人がたくさんいる。

今日は13拍子の美しい曲「Sudovian Dance」を読み解いて、素数を音楽的にキレイにわりきる方法を考えてみたい。

 

 

 

13拍子を割る

この曲は主に4分の13拍子でできている。

4分の13拍子は、1小節の中に四分音符が13コ、八分音符が26コ入っている。

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「Sudovian Dance」のリズムは、この26コの八分音符を26=7+6+7+6に分けている。

 

*イントロ(下段は実際の音ではなく、拍数をわかりやすくするために入れてある)

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26=7+6+7+6に分けると、(7+6)+(7+6)という大きな二つのグループに分けることができる。

このように13拍子を大きな2拍子のように捉え、1拍目と7拍目のウラにアクセントをつけることで、音楽的に素数を割ることができる。

 

*イントロ別フレーズ

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このフレーズの方がキレイに8分音符13コ分のフレーズが繰り返されていて、13拍子が等分されているのがはっきりわかる。

 

 

*テーマ

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テーマのメロディは、イントロとは逆に(7+6)+(7+6)の切れ目をつないで等分感(そんな言葉ないか)を消している。

13拍子を割る(7+6)+(7+6)のリズムと、それをつなぐメロディが合わさって、聴く側はもうなんだか迷子になってしまう。

迷子にさせる曲を作りたい時には、「素数を割りきるリズム」と「つなぐメロディ」を共存させるといいのかも!

 

 

7拍子は割らない

メロディはこのまま、新たな素数7の世界に入る。

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でもただの7拍子じゃなくて、八分音符14コを14=5+4+5にグルーピングしたクセのある7拍子。

どうしてミュージシャンはこんなにもひねくれているんだ!と思っちゃうど、なぜだかひねくれている方が美しい。

 

ちなみに7拍子を割り切りたい場合は、八分音符14コを14=(4+3)+(4+3)や

14=(2+5)+(2+5)などで割り切ることができる。

 

10拍子は割り切れない?!

 

しばらく7拍子の上を漂ってから、今度は素数ではない偶数の10拍子に移る。

偶数だ!わーい簡単に割り切れる!と思ったら大間違い。

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10拍子の八分音符20コを20=7+6+7にグルーピング。

割り切れるはずの10拍子なのに、7+6+7のグルーピングのせいで等分できなくなってしまった。

でもこのグルーピング、13拍子(26=7+6+7+6)に戻るにはピッタリ。

びっくりするくらい計算されていて、音楽と同じくらい数字の並びが美しい!

 

このピアノストMarcin Wasilewskiは「Night Train To You」という11拍子の曲(3+3+3+2)も書いていて、「素数チャレンジ」をしているんじゃないかという気さえしてくる。

ぜひ次の素数、17拍子もやってほしい。

 

 

それにしても、割り切れないものを割ったり、割り切れるものを割り切れないようにしたり、ミュージシャンというのはなんでこんなにも素直じゃない天邪鬼ちゃんなのだろうか?

いや、きっともっと面白いものをつくりたいんだろうな。

じっさい、面白くて美しい!

この曲を聴いていると、こんなにも美しく素数を音楽的に割り切って演奏できるのかと、毎回感心してしまう。

 

 

(ライブなので少しフレーズがちがうけど、もちろん美しい!テーマは3:33~)

youtu.be

 

オマケ

Takadimiというインドのリズムのシステムがあって、こういう拍子の曲の時にとっても便利。

いろんな言い方があるみたいだけど、私が習ったのはこんな感じ。

2=ta-ki(タキ)

3=ta-ki-da(タキダ)

4=ta-ka-di-mi(タカディミ)

5=ta-di-ki-na-thom(タディキナトゥ)

6=ta-ki-da-ta-ki-da /or/ ta-va-ki-di-da-ma(タキダタキダ / タヴァキディダマ)

7=ta-va-ki-di-da-ma-ti(タヴァキディダマティ)

 

使い方はこんな感じ。

・13拍子:7+6+7+6=「タヴァキディダマティ・タキダタキダ・タヴァキディダマティ・タキダタキダ」

・7拍子:5+4+5=「タディキナトゥ・タカディミ・タディキナトゥ」

・10拍子:7+6+7=「タヴァキディダマティ・タキダタキダ・タヴァキディダマティ」

 

暑くて寝苦しい夜に、「Sudovian Dance」を聴きながらぜひ「タヴァキディダマティ・タキダタキダ・タヴァキディダマティ・タキダタキダ」と唱えてみてください!

(ここ最近毎晩そうしていますが、数え疲れて寝れます)

 

Enjoy and stay safe!!

数字と形からコードをおぼえる

前回に引き続き、コードの話。

 

今日おぼえるコードは、基本的なこちらの4種類。

・△7:メジャーセブンス

・7:ドミナントセブンス

・m7:マイナーセブンス

・m7♭5:マイナーセブンスフラットフィフス

 

メジャーセブンス

表記の種類は△7、M7、Maj7、maj7などがある。

日本では「メジャーセブン」と呼ぶことが多い。

 

・コードトーン:1 - 3 - 5 - 7

  Ex.) Cmaj7:C - E - G - B 

    Fmaj7: F - A - C - E

  

*この数字は、メジャースケール=1234567のこと。(解説→前回の記事

 

 

・形

Ex.) Cmaj7

半音が4つ分で長3度、半音3つ分で短3度

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ドミナントセブンス

表記は、C7、D7みたいにルートの横に7とかく。

シンプルに「セブンス」と呼ぶことが多い。

 

・コードトーン:1 - 3 - 5 - ♭7

    Ex.) C7:C - E - G - B♭ 

      F7: F - A - C - E♭

 

メジャーセブンスとちがって、7度が7→♭7になるのがとくちょう!

 

・形

Ex.) C7

メジャーセブンスとちがって、7→♭7になるので、11時の場所からから10時に移動している。

 

 

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マイナーセブンス

表記は、m7、-7、min7などがある。

「マイナーセブン」と呼ぶことが多い。

 

・コードトーン:1 -♭3 - 5 - ♭7

    Ex.) C7:C -♭E - G - B♭ 

      F7: F -♭A - C - E♭

 

マイナーコードなので3度が、3→♭3になるのが特徴。

ドミナントセブンスと同じく7度も、♭7になる。

 

・形

Ex.) C7

3度は、3→♭3になるので、3時の場所に移動する。

 

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マイナーセブンスフラットフィフス

表記は、m7♭5、-7-5、∅みたいな記号などもある。

∅はハーフディミニッシュと呼ばれていて、マイナーセブンスフラットフィフスと構成音が同じなので、∅=m7♭5として使われている。

(ちなみにディミニッシュの記号は→◯) 

 

・コードトーン:1 - ♭3 - ♭5 - ♭7

    Ex.) C7:C - ♭E - ♭G - B♭ 

      F7: F - ♭A - ♭C(B)- E♭

 

フラットフィフスというコードネームのとおり、5度が5→♭5になるのが特徴。

 

 

・形

Ex.) C7

5度が5→♭5になるので、12時、3時、6時とキレイに並んでいる。

 

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コードの種類は他にもいくつかあるけど、基本的なこの4つをおぼえていれば、他のはきっと簡単に理解できちゃうはず。

 

コードを覚えるのはハードルが高いかもしれないけど、数字や形から覚えるとやりやすいかもしれないので、ぜひトライしてみてください!

コードをおぼえる前に知っておきたい3つのこと

コードのおぼえ方はいつくかある。

メジャースケールの上にできるダイアトニックコードからおぼえたり

 

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音の重なりの度数からおぼえたり

 

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どれも正しいおぼえ方だと思うけど、私は数字や形でおぼえることをオススメしたい。

数字でおぼえると、後々出てくるジャズのコード(テンションコード)を簡単に理解できる。

でもまずは、コードを覚える前に、とても便利な以下の3つを知っておこう!

  1.  英語のドレミ
  2. メジャースケールの音の並び方
  3. メジャースケールの数式

 

⒈ 英語のドレミ

コードはアルファベットで書かれているので、まず英語で音名をおぼえよう。

 

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ドレミでと同じように、英語の始まりもド=Aだとよかったんだけど、英語はラからABCが始まる。

ちなみに、日本語の音名はドからハニホヘトイロハだけど、これも元々のいろは歌の「色は匂へど〜(イロハニホヘト)」なので、日本語もラから始まっているんだね。

 

 

⒉ メジャースケールの音の並び方 

ドから白い鍵盤を順番に弾いて上がっていくと「ドレミファソラシド」=Cメジャースケールになる。

でも、ファから白い鍵盤を順番に弾いても「ファソラシドレミファ」≠Fメジャスケールにはならない。

なぜかというと、この二つは音の並び方が違っていて、メジャースケールっていうのは実はとっても不均等な並び方をしているんだ。

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ド・レの間隔に比べて、ミ・ファやシ・ドは隣同士くっついている。

ド・レのように間に一つ鍵盤が入っている間隔を「全音(W=Whole step)」、ミ・ファやシ・ドのような間隔を「半音(H=Half step)」という。

 

メジャスケールっていうのは「W+W+H+W+W+W+H」の音の並びのことをいう。

 

なのでファから始まるメジャースケールはこうなる。

×「ファ ソ  ラ  シド  レ  ミファ」

○「ファ ソ  ラシ♭  ド  レ  ミファ」

 

 

⒊ メジャースケールの数式

 

数式という訳が正しいのかわからないけど、英語では「The Major Scale Formula」という。

数学が苦手な人でも大丈夫、この数式はとっても簡単。

 

メジャスケール=W+W+H+W+W+W+H

       =1234567

 

つまり、

 

メジャスケール=1234567

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先ほどの図に書くとこんなかんじで、ドの音から1234567となる。

この数字はコードをおぼえるためにとっても重要。

コードでよく見かけると7はこの数字のことで、種類によって♭したりする。

「メジャスケール=1234567」がわかっていると、コードの種類によってどの音を♭あるいは#すればいいのか、簡単にわかるようになる。

 

なのでまずは、「メジャスケール(W+W+H+W+W+W+H)」を全キーで弾けるようになっておきたい。

 

 

おまけ

 

1オクターブの12音を半音づつ時計まわり並べて、 Cメジャーの音に時計の針をおくとこんな形になる。

 

これがCメジャースケールの形。

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当たり前のように思っていた「ドレミファソラシド」が、とっても歪な形をしているのがよくわかると思う。

もちろん、メジャースケールはどの音から始めてもこの形になる。

たとえばFメジャースケールの形はこう。

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次回は、いよいよ形からコードをおぼえる!

 

「The Rain Of May」雨を弾く

この曲は前にも紹介したことがある、雨の日に書いた曲。

pianeco.hatenadiary.com

 

前回は5連符の練習曲として紹介したけど、ピアノ用に少しアレンジしたので今回は「自由に弾く」ための曲として紹介したい。

 

前回と大きく違うのは、1小節目に自由に雨を弾く「Raindrops」セクションを加えたこと。

自由に弾くって言うと、恐ろしく感じる人もいるかもしれないけど、リラックスして気楽にやってみると、意外と楽しいかもしれない。

最初は間違ったらどうしようって怖くなるかもしれないけど、大丈夫。

そもそも「雨を弾く」ことに間違いなんてないから。

 

いろんな種類の雨があって、色んな感じ方をする人がいる。

そのどれもが、だれもが正解で、間違いなんて一つもない。

 

私のピアノの先生は、ピアノでつくり出す世界は、完全に自分だけのためにある唯一の場所だと言っていた。

誰もジャッジしたり立ち入ることの出来ない、自分だけの場所。

 

 

じゃあ、はじめてみよう。

 

 

まずピアノの前に座って、想像してみる。

自分だけの世界に降る雨。

そこは丘の上かもしれないし、ビルの屋上、あるいは誰も知らない秘密の庭かもしれない。

そこにはいったいどんな雨が降っているんだろう。

やさしい雨だろうか、やわらかい雨だろうか、あたたかい雨だろうか。

 

そして耳をすませる。

 

何か聞こえてきたら、1節目に雨を降らせてみよう。

 

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楽譜はこちらから(ダウンロード

 

Enjoy!

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

 

 

5拍子っぽくないテイクファイブ(2:5ポリリズム)

つい先日、ソロピアノで「テイクファイブ(Take Five)」を弾く機会があった。この曲は、アルトサックス奏者ポール・デスモンドが作った、有名な5拍子の曲。ポール・デスモンドは「テイクテン(Take Ten)」というテイクファイブの兄弟みたいな曲も書いているけど、残念ながらテイクファイブのようには有名にならなかったようだ。テイクテンの方が、湿度がカラッとしていて私は好きだけど。

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今回は、有名なテイクファイブを、誰も聴いたことがないようなテイクファイブにしようと思って、2:5のポリリズムにアレンジしてみた。

 

2:5のポリリズム

テイクファイブの特徴的な5拍子のリズムは、よく見てみると「3拍子+2拍子」に分かれている。1小節の中に違う拍子が入っていることを「混合拍子」と呼ぶんだけど、テイクファイブのリズムは「3拍子+2拍子」混合拍子になっている。

 

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5拍子は「3+2」あるいは「2+3」に分けられることが多いけど、等分じゃなく偏りがある分け方をすると、5拍子というよりは混合拍子に聞こえてしまう。それを避けたくて、今回は均等に2.5づつに分けてみる。

 

テイクファイブは4分の5拍子なので、1小節の中の音符は「4分音符5コ=8分音符10コ」。それを二等分にして「4分音符2.5コ=8分音符5コ」づつ分ける。

 

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 下の数字が5拍子で、上の数字は4分音符2.5コ(8分音符5コ)づつ分けた2拍子。

 青いまるでマークしてある3拍目のウラを強調することで、5拍子を2拍子のように聴かせられる。

 

たとえばベースラインを2拍子みたいにするとこんな感じ。

 

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左は3+2の混合拍子になっているテイクファイブで、右が2.5+2.5にアレンジしたもの。

右の2つの緑は、音は少し違うけど、長さもリズムも音の高低の並びも全く同じ。全く同じ2つのフレーズが1拍目からと、3拍目のウラから始まっているので、パッと聴いたかんじ2拍子に聞こえる。

 

2.5(8分音符5コ)づつフレーズを作ると2拍子に聴こえるのがわかったので、メロディーをどうにか2.5+2.5にのせていく。

 

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拍に合わせるためにメロディを変形させているので、だいぶ聴いたことのないようなものになってきた。

もはやテイクファイブだかなんだかもわからなくなってきたけど、しつこいくらい2.5+2.5で、弾く分にはずいぶん楽しい。

 

5拍子の曲というとテイクファイブが有名だけど、テイクファイブのリズム=5拍子のリズムというわけではない。

「1+4」でも「1.5+3.5」でも「0.5+4.5」でも、とにかく合計が「5」になれるなら自分の好きなように分けてみるのも面白い。

2.5+2.5は、5拍子の感覚をつかむのにとってもいいし、あと5:2のポリリズムも一緒に覚えられる。

世の中には4拍子の曲の方が断然多いから、5:2のポリリズムの方が使う機会が多いかもしれない。

 

2:5のポリリズムの練習がしたい人、普通じゃないテイクファイブを弾いてみたい人はぜひ「テイクファイブ(2.5+2.5)」をためしてみて下さい!

楽譜はこちらからダウンロード

 

www.youtube.com