pianeco

もっと自由に音楽したい人へ。ニューヨークで学んだ音楽の話。

ポリリズム 2:3と3:2

前回の例にも出したけど、ドビュッシーのアラベスク第一番のようなリズムを3:2のポリリズムという。

1拍に対して右手は8分音符3つ、左手は2つ。

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この曲を弾いた事がある人も多いかもしれないが、リズムはきちんと弾けているかな?

なんとなく左手の音にぶつからないように左右ずらして弾いちゃってたりはしてない?

思わずギクッとしちゃった人は、ポリリズムを身につけるともっとステキな演奏ができるかもしれない。

今日は3:2(右3:左2)、2:3(右2:左3)それぞれの仕組みと練習法を考えていく。

 

 

仕組み

2:3(あるいは3:2)のポリリズムを作るのに必要なのは、2と3の最小公倍数

つまり6。

6コの音があれば2:3(あるいは3:2)のポリリズムを作る事ができる。

 

<材料>

・6コの音

 

<2:3の作り方>

①左手パートに2:3の3にしたい音符を3コ並べる

②並べた3コの音符を6等分したものを右手パートに並べる(1コを2等分)

③6等分した音符を3コづつ2つのグループに分ける

(わかりやすいように3コづつっぽいフレーズに変えているよ!)

④それぞれのグループのあたま1、4にアクセントをつけ他の音を弱くしていく 

⑤アクセントをつけた1、4だけ弾ければ完成!!

 

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<3:2の作り方>

①左手パートに3:2の2にしたい音符を2コ並べる 

②並べた2コの音符を6等分して右手パートに並べる(1コを3等分) 

③6等分した音符を2コづつ3つのにグループ分ける

(これもわかりやすいように2コづつっぽいフレーズに変えているよ!)

④それぞれのグループのあたま1、3、5にアクセントをつけ他の音を弱くしていく

⑤アクセントをつけた1、3、5だけ弾ければ完成!!

 

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弾き方

コツは、6コの細かい音符を感じること。

左右バラバラに思えるけど、弾いていない細かい音符で本当は出会っているのだ!

その2と3が出会う場所を感じられると、偏りのないキレイなリズムになる。

 

<2:3練習法>

①右6:左3の簡単なスケールを作る          *点線は2と3が出会う場所

(右6=3+3のようなフレーズがGood!!)

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②右6の1と4にアクセントをつけ他の音を弱くしていく 

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③アクセントをつけた1、4だけ弾く

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<3:2練習法>

①右6:左2の簡単なスケールを作る         *点線は2と3が出会う場所

(右6=2+2+2のようなフレーズがGood!!)

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②右6の1、3、5にアクセントをつけ他の音を弱くしていく

(点線は3と2が出会う場所)

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③アクセントをつけた1、3、5だけ弾く

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再びアラベスク

3:2の練習法に当てはめて、もう一度ドビュッシーのアラベスク第一番を考えてみる。

 

まずは右手のメロディーに音を足して細かい16分音符の6連符にする。

(点線は3と2が出会う場所、4拍目以降も同じ)

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6連符の1、3、5にアクセントをつけ他の音を弱くしていく

 

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アクセントをつけた1、3、5だけ弾く

 

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なんとなく弾くのと、意識して弾くのではなにか違いはあったかな?

正確なリズムこそが美しいとは思わないけど、仕組みがわかっている方が安定したリズムを演奏できるのは確か。

それにリズムみたいな感覚的なものは、一度身につけてしまえば体がずっと覚えていてくれるので、覚えといて損はない。

自転車や平泳ぎみたいにね。

 

 

2:3や3:2のポリリズムは部分的なものも含めると、本当にあらゆるジャンルのあらゆる音楽に使われている。

(私の好きなドラゴンボールのDragon Soulにだって部分的に何度も使われている!)

意識して聴いてみると、きっと色んな曲の中にこのポリリズムを見つけることができると思うので、いつもと少し違う角度から音楽を聴いてみるのも良いかもしれない。

 

次回は、2:3と3:2のポリリズムを弾きこなす!

 

 

はじめてのポリリズム

「ポリリズム」とは

複数を意味するポリ(poly) +リズム(rhythm)が合わさった言葉で、複数の異なるリズムを同時に演奏する事。

 

わかりやすいので言えば、ドビュッシーのアラベスク第1番。

1拍に対して右手は3連符だから8分音符3つ、左手は8分音符2つで、3:2のポリリズム。

それぞれ拍のあたまで左右一緒になる。

 

<アラベスク第1番>

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わかりづらいので言えば菊地成孔率いるDATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN (DC/PRG)の 「構造I (現代呪術の構造)」。

これは5拍子の上に4拍子がのっているようなポリリズム。

 

< 構造I (現代呪術の構造)> 視聴

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1小節の中に20コある16分音符を5コづつグルーピングすると4拍子(上段)、4コづつグルーピングすると5拍子(下段)になる。 

 

つまり上段は大きく4連符とも言えるし、1拍=16分音符5コの4拍子とも言える。

そしてこの4拍子の拍のあたまにちゃんとベースの音がはまっていて、キレイに作られている。

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とても複雑なポリリズムだけど、これがもしどちらも4分の4拍子で割り切れていたらどんなに味気ないものになっていただろう。

そう、ポリリズムはできるとかっこいいのだ!

 

でも「はじめてのポリリズム」なのでこんな恐ろしいリズムじゃなくてシンプルなものからはじめていくよ!

次回は「ポリリズム2:3」(の予定)

 

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Robert Glasperを弾く 「Stella By Starlight」

Stella By Starlight

邦題「星影のステラ」と呼ばれている最も有名なジャズスタンダードのひとつ。

元々はVictor Youngが"The Uninvited"という映画のために作った曲で、マイルス・デイヴィスやエラ・フィッツジェラルドをはじめ、多くのジャズメンに演奏されてきた。

ジャムセッションでもよくコールされるので、演奏したことがある方も多いかと思う。

私の中でも、好きなジャズスタンダードTOP10に確実に入ってくる。

今回はこのおなじみの"Stella By Starlight"を、あまりおなじみではないロバート・グラスパーバージョンで弾いてみよう。

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構成

この曲は"covered"というアルバムに収録されている。

先日行ったRobert Glasper Trio @ THE METの時にも同じメンバーで演奏していて、ブリッジの部分をループしたり、パッと聴いただけでは聞き取れないようなリハモをしていたりと、とても印象的だった。

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これはリアルブックに載っている楽譜。

一般的にジャズは、[テーマ]→[インプロ](improvisation:アドリブのこと)→[テーマ]という形で演奏される。

この曲の場合も・・・

 [テーマ : A B C]→[インプロ : A B C] × くり返し→[テーマ : A B C] 

 

と演奏されるのが一般的だが、グラスパーは・・・

[テーマ : A B C]→[インプロ :  B] × くり返し→[テーマ :  C]→[エンディング] × くり返し

 

と少し変わった構成で演奏している。

Bのインプロセクションやエンディングのループがとてもグラスパーらしい。

この曲は本当にたくさんの人にカヴァーされているけど、自分の音楽にするという意味でグラスパーバージョンはとても成功しているアレンジだと思う。

 

コード

グラスパーらしさの最も重要な要素は、なんと言ってもあの美しいハーモニー。

何度となく聴いたことがある曲を、全く新しい音楽に変えてしまう魔法のようなグラスパーのリハモ(reharmonization:元のコードを別のコードに変えること)。

この曲でとくにリハモされているのは[Bセクション]と[Cセクション]、そして[エンディングのループ]。

リアルブックに載っている元のコードと見比べていこう。

 

[Bセクション]

グラスパーコードの方はベース音が半音づつ下降していて、とてもスムーズなリハモになっている。

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[Cセクション]

こちらのグラスパーコードも上段はBセクション同様半音づつ下降しているが、下段1小節目D♭△7に一度解決し、またすぐ3小節目B♭△7に解決しているのでマルチトニック的とも言える。(一つの曲に複数のトニックがあること)

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[エンディングのループ]

最後の小節のB△7(#11)がポイント!

ここは本来B♭△7に行くはずなのに、その半音上をいく。

予想外でオシャレでカッチョ良い。

(拍子が変わっているので元の楽譜の2小節分が1小節になっている)

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では実際どんな音を弾いているのか、ヴォイシングを見てみよう。

 

ヴォイシング

グラスパーのヴォイシングの特徴一つはテンションの多さ。

前にもグラスパーのハーモニーの特徴について書いたことがあるけど(Robert Glasperを弾く「Baby Tonight」)、やはり今回も6thや9th、11thが多い。

まずは音源を聴きながら一緒に楽譜を見ていこう。

 

[Bセクション] (視聴

 

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[Cセクション](視聴 

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6thや7th、時には([Bセクション]1段目の最後の小節のD♭△7#11のように)9thや#11thまで一緒に弾いてしまうのだ。

7thか6thどちらかが入ってればもう片方は省いてしまいそうだけど、両方いっぺんに弾くとよりグラスパー的なサウンドが作れる。 

あと-7の時の11thはもうMUSTと言ってもいいだろう。

好みもあると思うけど、11thが入っていた方が断然今っぽいし、これからはこっちのヴォイシングの方が主流になってくるんじゃないかと思う。

 

もう一つの特徴は和音の近さ。

一つの和音の構成音が多く、さらにそれらが密集して半音や全音でぶつかることが多い。

同時になる音が近ければ近いほど、それぞれの音がぼやけて聞こえるので、グラスパー特有のぼんやりとした抽象的なサウンドが作れる。

 

あと、これはハーモニーとは別の話だけど、音符の横にある"なみなみの縦線"も特徴の一つと言えるだろう。

これはArppegio(アルペジオ、あるいはアルペッジョ)という記号で、和音をハープのようにポロロンと弾く記号。

矢印がついてるものとついていないものがあって、ついていないものは下から上へ弾くことが多い。

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グラスパーはこの奏法を(上の楽譜を見ればわかるように)本当によく使う。

Arppegio自体は全然難しくないので、グラスパーっぽく弾きたい人は取り入れてみるといいかもしれない。

 

 

オリジナルの"Stella By Starlight"も十分美しい曲だけど、いつもと違ったアレンジで演奏してみたい方はぜひロバート・グラスパーバージョンを試してみてください!

 

*リードシートを作ったので参考にどうぞ*

Stella By Starlight (Robert Glasper ver.) in C

Stella By Starlight (Robert Glasper ver.) in E♭

Stella By Starlight (Robert Glasper ver.) in B♭

Robert Glasper Trio @ THE MET

THE MET

ニューヨークにある最も有名な美術館の一つ、メトロポリタン美術館。

観光スポットとしても有名で、いつでもいろんな国の人々で溢れかえっている。

入場料は"pay as you wish"という自分で金額を決められるシステムなので、いつでも気軽に行けるのも魅力の一つだ。

(ただこのシステムを知らないと$25とられるので行く際には要注意!)

何度となく訪れているけど、つい最近までここにコンサートホールがあるなんて全く知らなかった。

ここのホールは700席程のしっかりとした広さで、レトロ感はあるもののシートが若干リクライニングになるし、なかなかいい感じだった。

そこで見てきたのがそう、我らがRobert Glasper!!! YEEEEEAH!!!

 

クールな人々

メトロポリタン美術館とグラスパーというのは少し不思議な組み合わせのように思えたけど、本人も「彼ら(美術館サイド)はこういう音楽聴かないだろうね」と言っていたのでグラスパー的にも不思議なのかもしれない。

客層もずいぶん多彩で、年齢で言えば5〜6歳の子どもから上は80〜90歳くらいまでいたんじゃないかと思う。

割合としては半分以上が年配の方々で、杖をついたおばあちゃんや、おじいちゃん達がグラスパーの音楽に熱狂していた。

とってもクールだ!!

そういう歳の取り方をしたい。

 

 

超能力的なメンバー

メンバーは2015年の「covered」アルバムと同じ、Vicente Archer(Bass)とDamion Reid(Drum)。

このドラムのDamion Reidがすごかった。

スティックでちょっと頭かきながらぼんやりしてるかと思いきや、いつやって来るかもわからないグラスパーの突如のキメを一度も逃さないし、0.1秒だって遅れない。

もう予知能力とか、透視能力があるんじゃないかと思うくらいすごかった。

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You have to be happy of who you are

日本でもグラスパーのライブに行ったことがあるけど、今回はその時の3倍くらい喋っていてずっと笑わせてくれていた。

ただ、一曲だけ彼が涙を拭いていた曲がある。

「covered」の最後に収録されている「I'm Dying Of Thirst」という曲だ。

ラッパーのKendrick Lamarのカバーで、曲中にはグラスパーの息子とその友人の幼い声が入っている。

この曲を演奏した直後にグラスパーは「息子にはいつも泣かされる」と笑いながら、でっかいタオルでゴシゴシ涙を拭いていた。

でもこの曲の直後に涙を拭いていたのはきっとグラスパーだけじゃないはずだ。

この曲中でグラスパーの息子達が幼い声で次々と羅列しているのは、大きな人種差別問題となっている警官による射殺事件で命を落とした黒人たちの名前だ。

最後には「黒人であることを毎日誇りに思っている」、そして

「You have to be happy of who you are」

と締めくくられている。

言葉では表現しきれない力強さや深さが、音楽となってそこにいた多くの人たちの心を動かしていたと思う。

youtu.be

I'm Dying of Thirst

I'm Dying of Thirst

  • ロバート・グラスパー
  • ジャズ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 

Common

ライブの最後にはとんでもないサプライズが待ち構えていた。

グラスパーがマイク片手にラップを始めたのだ。

すごいなぁ、なんでもできるじゃないかと思っていると誰かがステージの袖から出てきてその日一番の歓声が沸き起こった。

一体誰なんだろうと思っているうちに彼の凄まじいラップが始まって、ラップというものを生で見たことがなかった私はとにかく圧倒されていた。

だけど、いや、待てよ、この人どっかで見たことある。

それがCommonだったのだ!

キアヌ・リーブスのJohn Wickシリーズの大ファンなので、目の前にいるのがChapter2に出てくるあの殺し屋だと気づいた時にはもう、もう、もう、大興奮だった! 

 

笑ったり泣いたり大興奮したりと、感情を動かされっぱなしのひと時だったけど、間違いなく今年一番のライブだった。

最高のクリスマスプレゼントだ。

でももしサンタさんが聞いてくれるなら、キアヌ・リーブスとルビー・ローズちゃんにも会わせてもらえないかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

「The Christmas Song」6連符を使いこなして空白マスターに! 

The Christmas Song

”好きなクリスマスソング”で一番最初に思いつくのが、このMel Tormeの「The Christmas Song」。

タイトルからメロディが思い浮かばない人も多いかもしれないが、きっと耳にしたことがあると思う。

一番有名なのはきっとこのNat King Coleのバージョンかな。

とってもドリーミングでクリスマスの雰囲気にぴったりだ。

youtu.be

今日はこの曲をソロピアノで弾いてみよう。

 

アレンジのコンセプト

私はいつも個人的にアレンジを作るときには、必ずコンセプトというか目的を決めるようにしている。

これを弾けるようになれば、自然と何か新しい技術を身につけられるようなアレンジにするように心がけている。

今回のコンセプトは「6連符を使ってさみしい空間を華やかに!」

(リフォームのうたい文句みたいだけど)

例えばソロピアノを弾くときにコードチェンジもメロディーも少なくて、何を弾けばいいかわからないことがよくあると思う。

そんな時は音数が少なくなってしまったりさみしくなりがちだけど、今回は6連符を使ってちょっぴり華やかにしてみよう。

 

実践

まず曲の出だしから見ていこう。

上段がオリジナルメロディ、下段が6連符を使ったアレンジ。

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 メロディが全音符で止まっているので、さみしくなりがちな空間を6連符で埋めてちょっぴり華やかにする。

次の例では、同じ音が1小節以上続き変化がなくやっぱりさみしいので、ここも6連符。

too muchなくらいてんこ盛りで確実に6連符マスターを目指す。

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この曲のエンディングはNat King Coleをはじめ、ジングルベルのフレーズを使うことが多いので、おなじみのフレーズをキーを変えてアレンジしてみた。

もちろん終わりも6連符。

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ソロピアノで演奏する時は、こういうちょっとさみしくなってしまう空間に出くわすことが多いと思うので、その解消法の一つとしてぜひ6連符にトライして見て下さい!

 

 

*販売している関係で動画では楽譜を全部お見せできないのですが、よければこちらから購入できます。

youtu.be

「Renewal」 ピアノの向こうで息をひそめていた話

猫アレルギーなのに

ちょうど去年の今頃、猫を飼い始めたせいで肺炎になりかけてしまった。

毎朝病院で吸入をしないと息ができないほどで、咳がすっかり取れるまでずいぶんかかった。

とくに笑うと咳が止まらなくなるので、なるべくつまらない生活をしようと心がけていた。

そんな時、ピアニストの友人に誘われて彼女のレコーディングに同行することになった。

 

嬉しくもちょっと困ったありがたいオファー

ニューヨークから少し離れたレコーディングスタジオには、プロデューサーとエンジニア、そして演奏するメンバー(友人がリーダーのピアノトリオ)が集まっていた。

ピアノ、ベース、ドラムがそれぞれのブースに入って私はコントロールルームで演奏を聴かせてもらう事になった。

そこで彼女が私に、1曲だけどうしてもピアノブースで聴いて欲しい曲があると言った。

その曲は今回のアルバムのタイトルにもなった、ソロピアノのオリジナル曲だ。

万が一レコーディングの最中に音を立てでもしたら台無しになってしまうので、プロデューサーはもちろん反対だった。

困った・・・

咳が出るかもしれない・・・

でも彼女のレコーディングを間近で聴けるなんて・・・こんなチャンスない!

そこで、私は咳どめのガスを少し余分に吸ってピアノブースに入ることにした。

 

困ったときの村上春樹

苦々しい顔のプロデューサーを横目にブースに入ると、グランドピアノでいっぱいのその部屋にはそもそも私がいるようなスペースなんてなかった。

椅子も見当たらない。

仕方ないので、私は彼女の足元のあたりに座ってじっと息をひそめ、なるべく咳から意識を遠ざけようと村上春樹のフレーズを思い出していた。

(つまり、”夏の午後の冷蔵庫の中にあるきゅうり”のことを考えていた)

冷静に考えるとわりと妙な光景だ。

レコーディングの最中に、ピアニストの足元に”夏の午後の冷蔵庫の中にあるきゅうり”のことを考えながら咳をこらえてる猫アレルギーがいるなんて。

 

Renewal

そんな妙な光景からは考えられないほど彼女の演奏は素晴らしく、その曲は1takeで終わった。

(おかげでレコーディングを台無しにすることもなく、これ以上プロデューサーににらまれることもなかった)

演奏が始まって1小節もしないうちに、冷蔵庫のきゅうりなんて簡単に吹き飛ばされてしまうほど彼女の演奏は圧倒的に美しかった。

心の底のあたりを温めてくれるような、優しくそっと前へと押し出してくれるような、そんな演奏だった。

曲の最後には、彼女のイタズラっぽく少し得意げな笑顔そのもののようなコードが添えられている。

リニューアルしたい方にも、そうでない方にもぜひこの「Renewal」を聴いてみてほしい。

そしてその際には、ピアノの向こうでじっと息をひそめている私の存在も頭の片隅に思い浮かべいただきたい!

もしかしたら気配くらいはするかもしれないので、よーく耳を澄まして聴いてみて下さい。

 

*日本のアマゾン、iTunesで視聴できます!*

 

アマゾン

Renewal

Renewal

 

 iTunes

Renewal

Renewal

  • LeeAnn Ledgerwood
  • ジャズ
  • ¥2200

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猫の話 もっち1周年記念!

去年の11月にマンハッタンのシェルターから3歳半の女の子の猫を引き取った。

もともと猫が大好きだったのだけど、猫アレルギーだから飼うなんて無理だなと諦めていた。

しかーし、ニューヨークの猫カフェに行ったのをきっかけに、ついに猫愛が抑えられなくなり我が家に迎えることになったのだ!

もともと”Ramona”という名前がついていたが、あまりにも気高すぎて気軽に呼べないので、我が家では”もっち”と呼んでいる。

来たばかりの頃は子猫みたいな顔でビクビクしていたが、今となってはこの家の主のような顔をしている。

これがうちに来た次の日のもっち。

https://www.instagram.com/p/BM4l80UgHvy/

 

一週間後のもっち。

https://www.instagram.com/p/BNGZADhgSkS/

 

この頃にはもう慣れて来て、私の仕事の邪魔をする事を覚え始める。

https://www.instagram.com/p/BNK-1swgHmT/

 

できるだけ長く伸びてできるだけたくさんの鍵盤を隠す。

https://www.instagram.com/p/BT10OBKjrdm/

 

そして寝る。

https://www.instagram.com/p/BOSUh9KA1Tb/

今となっては猫を飼っているというより、猫の世話をさせていただくという圧倒的な上下関係が出来上がってしまった。

なんのためらいもなく寝てる私のお腹を踏んづけたり、髪の毛をガジガジ噛んだり、夜中にとんでもない勢いで走り回ったり。

 

しかし、かわいい。

 

かわいすぎる。

 

猫アレルギーなので、最初の頃は咳がひどく肺炎になりかけてしまった事もあったけど、今ではほとんど症状も出なくなった。

(肺炎になりかけたせいで、咳を我慢しながらレコーディングスタジオの隅で体育座りをするという妙な体験をすることになったが、この話は長くなるので次回にしよう。)

 

うちに来てくれてから一周年記念なので、いつもよりいい猫缶を買って、いっぱい遊んで、うんと甘やかしてあげよう。

 

Happy Thanksgiving!!!

https://www.instagram.com/p/BYjMcBhnacL/