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pianeco

もっと自由に音楽したい人へ。ニューヨークで学んだ作曲や演奏のコツをお届けします!

5連符をマスターする - The Rain Of May

『The Rain Of May 』

去年の今頃だったと思う。

朝起きたら東向きの窓から朝日が差し込んでいて、窓の外を見ると静かな雨が降っていた。

辺りは明るいのに優しい静かな雨が降っていて、それがとても心地よかった。

顔も洗わずにそのままピアノに向かって曲を作った。

一気に書いてしまったので、おそらく30分もかからなかったと思う。

それがこの曲「The Rain Of May」

www.youtube.com

その日の心地よさが曲に閉じ込められているみたいに、この曲を弾くとその日の匂いまで鮮明に思い出せる。

そういう意味で作曲は、その瞬間の情景を記録しておけるとても素敵なツールになり得ると思う。

 

 

5連符をマスターする

STEP 1 : 5連符の感覚に慣れる 難易度★

この曲は最初から最後まで5連符でできている。

5連符と聞くと難しそうなイメージがあるかもしれないけど、慣れてしまえば実はとても簡単に弾ける。

 例えばこれが曲の出だし。

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右手3音左手2音に分けて弾くように書かれているが、このように両手で分けてしまえば意外と簡単なのだ。

これでまず5連符の感覚に慣れていく。

 

STEP 2 : 5=2+3 難易度★★

次に16分音符5つ分の5連符を2+3のグループに分ける。

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16分音符2つ分なので8分音符を使用しているが、ちゃんと2つ分頭の中で数えないとリズムが崩れてしまう。

リズムが崩れにくくなるように、右手の8分音符の部分に左手で16分音符を入れているので両手で弾けば2+3の綺麗な5連符になる。

 

STEP 3 : 5=3+2 、5=2+3 難易度★★★

 先ほどと同じように今度は3+2のグループに分ける。

そしてさらに2+3のグループと繋げてみる。

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16分音符3つ分=付点8分音符と、 16分音符2つ分=8分音符のみでメロディができている。

頭の中で5連符を感じていないとやはりリズムが崩れてしまうので、うまく左手の16分音符に合わせて弾くのがコツ。

 

ここまで弾ければ5連符をマスターしているはずなので、是非「The Rain Of May」に挑戦してみて下さい!

「The Rain Of May」の楽譜(PDF)はこちらからフリーでダウンロードできます。

 

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スウィングとは?本当に3連符?

スウィングとはジャズ独特のリズムのこと。

ジャズの楽譜でよくこういうリズムの指示を目にすると思う。

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でもココで言いたい。

この表記は間違いです!!

私はこの表記がたくさんの人にスウィングの誤解を招いていると思っている。

もしも私が大統領になったらこの表記を廃止したいくらい!

ではスウィングとはどう表記するのか、答えはこう。

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何も変わらないじゃないかと思うかもしれないが、スウィングの秘訣は実はこの8分音符の場所にある。

 

スウィングの間

従来のスウィングは最初のSwing表記のように3連符だと考えられていた。

こんなふうに。

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実際ビル・エバンスのスウィングはこの3連符に近い。 

でも今はこういうスウィングを弾く人はまずいない。

ではどう弾くかというと、こういうふうに弾く。

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拍のあたまにスウィングには欠かせない間が入る。

3連符ではなく、少し、ほんの少し遅れているevenの(均等な)8分音符。

そしてこのほんの少し遅れた間が、スウィングのリズムを作り出すのだ!

でもどうして世の中的に3連符がスウィングだと思われているかというと、スウィングした時の8分音符の裏拍が3連符の3番目の音とタイミングが非常に近いからだ。

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しかもこの”スウィングの間”の長さは人それぞれ違う。

だからスウィングの仕方もプレイヤーによって異なってくるのだ。

ただ、ハービー・ハンコックもキース・ジャレットも3連符ではなく8分音符を弾いている。

3連符ではなく!

 

スウィングの間を弾く

STEP1:8分音符で弾く

 

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STEP2:裏拍にアクセントをつける

 

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STEP3:少し遅らせて弾く

 

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これでスウィングの完成!

コツは十分に脱力してリラックスして弾くこと。

そして最高に気持ちいい自分のスウィングを見つけて下さい!

 

1小節のスケッチから曲を作る

私はよく思いついたフレーズや、コードを「作曲ノート」にメモしておく。

忘れないうちにと、いつも走り書きのように雑に書いてしまう。

こんな感じに。

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今回はこの1小節の走り書き、スケッチから曲を作ってみた。

 

今回の私の作曲行程はこんな感じ

①スケッチを書く

②コードを決めてベースラインを作る

③イントロを作る

④アドリブを弾く

 

①スケッチを書く

私は譜面台に「作曲ノート」を置いて思いついたフレースをいつでも書けるようにしている。

忘れないうちにメモできるので、これはとってもオススメ! 

今回のフレーズは、1小節に12音ある8分音符の3連符を5:7に分けたフレーズだ。

アクセントは1番目と6番目の音符にきて、少しトリッキーな仕組みになっている。

でも不思議なことに意外と普通に聞きやすい。

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②コードを決めてベースラインを作る

次に先ほどのスケッチの下にベースラインをつける。

ベースラインをつけるには、フレーズにあったコードを決めなくてはいけない。

今回はこんな風につけてみた。

これでメインのフレーズの完成!

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③イントロを作る

 

次にイントロを作っていく。

メインのフレーズに入りやすいように同じく3連符で、しかし!リズムを変えて作ってみよう。

先ほどは全部で12音の3連符を5:7で分けたが、今回は4:4:4で分けていく。

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④アドリブを弾く

ここまで来たらもうほとんど出来上がり。

あとは出来るだけシンプルにアドリブを乗せていく。

難しいことは一切なし。

ただただシンプルに。

 

 

こちらが完成した曲。

構造が分かっていると、聴こえ方も違ってくるかも!

Enjoy!!

www.youtube.com

4拍子の形?5拍子は星型?

Happy New Year!!

明けましておめでとうございます。

昨年はたくさんの方に読んでいただき、スターをつけていただきありがとうございました。

始めた当初はこんなにたくさんの方に読んでいただけるとは思っておらず(こんなにたくさん音楽理論マニアがいるとは!)自分が一番驚いています。

今年もどうぞ宜しくお願い致します。

 

色んな人、色んな形

ニューヨークには当たり前だけどお正月がない。

日本人にはどうもなじめないことの一つだ。

みんな大晦日にタイムズスクエアのカウントダウンやパーティーで大騒ぎをして、2日や3日にはもう普通に仕事をしている。

せめて5日くらいまではゴロゴロしていたいなぁといつも思う。

 

ニューヨークの地下鉄に乗っていると、色んな人々を見ることができる。

色んな人種に、色んな言語。

パスタを食べる人、歌う人、バク転をする人、演説をする人に電池を売る人・・・

ちょっと日本では考えられないような、本当に色んな人々だ。

私のピアノの先生は、

”ニューヨークは1ブロック歩く間に3つの違う言葉が聞こえて来る。だからニューヨークが好きなの!”

とよく言っている。

 

それと同じように私たちは普段、色んな形も目にしている。

例えば信号は円や四角だし、ユニクロのロゴやマイクロソフトのロゴも四角い。

広告やポスターにも色んな図形がたくさん使われているし、はてなブログのロゴも丸にペンだしね。

今日は私が考えて使っている拍子図形をご紹介!

 

拍子図形

と言っても、指揮をするときの図形の事ではなくて私の言う拍子図形とは、視覚的に拍子を感じるための図形、それぞれの拍子を表す図形のこと。

私は左右対称が好きで、拍子にはどこか左右対称的な雰囲気が感じられるのでこういう図形になった。

これが私の考える、4拍子の図形であり7拍子の図形だ。

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上段の左から2、3、4、5、下段の左から6、7、8、9拍子になっている、

こう見るとかわいいでしょ?

これを曲を聴くときや演奏する時に思い浮かべる。

全部一筆書きできるようになっているので、是非お試しあれ!

 

でも、もちろん決まりはないから、曲線とか円とかも使って自由に図形を考えてみてほしい。

私は基本的にこの図形を思い浮かべるけど、もっともっと正確に表すなら曲ごとに違う図形になるかもしれない。

だって、この図形じゃどうしたってスウィングできない。

切ないクリスマスソング「River」

北国で育ったせいか、クリスマスにはやはりどうしても雪が見たい。

ニューヨークでは何回か雪が降ったものの積もる程ではないし、今日はずっと雨らしい。

夜更けすぎに雪へと変わればいいんだけど見込みは低そうだ。

そんな時いつも思い出すのが、ジョニ・ミッチェルの「River」。

youtu.be

It's coming on Christmas

クリスマスが近づいてくると

They're cutting down trees

みんなモミの木を切り倒し

They're putting up reindeer

トナカイを飾りつけ

And singing songs of joy and peace

喜びと平和の歌を歌う

Oh I wish I had a river I could skate away on

あぁ 川があれば滑っていけるのに

But it don't snow here

だけど ここは雪が降らない

It stays pretty green

いつまでも緑が残ったまま

I'm going to make a lot of money

一稼ぎして

Then I'm going to quit this crazy scene

こんなクレイジーなところ出ていくの

Oh I wish I had a river I could skate away on

あぁ 川があれば 滑っていけるのに

 

ジョニ・ミッチェルはカナダ出身だから、クリスマスにはやっぱり雪が見たくて、生まれ故郷が恋しくなったのかもしれない。

そしてそこにはきっと川があったんだろう。

ちょっぴり切ない曲だけど、少なくとも私には、鈴の音シャンシャンしてハッピーでたまらないよー!という曲よりこっちの方がしっくりくる。

クリスマスみたいなホリデーシーズンは孤独を感じやすくなると聞いた事があるから、こんなふうにそっと心に寄り添ってくれるような曲は貴重だ。

ジョニ・ミッチェルが、今年のクリスマスを雪景色の中過ごせていますように。

みなさんが素敵なクリスマスを過ごしていますように。

 

Merry Christmas!!

youtu.be

 

 

きよしこの夜の「魔の4小節」

バッハのインヴェンションくらいピアノが弾ける父に「きよしこの夜」のアレンジを頼まれた。

どうやらクリスマスに人前で弾く事になったらしい。 

「きよしこの夜」と言えば、クリスマスソングの定番中の定番。 

でも、実はこの曲、アレンジが地味に難しい。

なぜなら、最初の  ”きーよぉしー こーのよーるー”  の部分は、同じコードが4小節も続いていて変化を出すのが難しいからだ。

itunesやYoutubeなどでいろんな人のアレンジを聴くと、この4小節にいろんな工夫がされていてとても面白い。

シンプルに同じコードを引き続ける人もいれば、ダイアトニックにそってコードを上昇or 下降してみたり(ex. C Dm Em...あるいはC Em/B Am...みたいに)、全く新しいハーモニーになっていたり、ウォーキングベースやブルースっぽくアレンジされているものもたくさんあった。

みんなこの「魔の4小節」に試行錯誤しながら挑んでいる。

 

私なりの「魔の4小節」はこんな感じ。

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気をつけた点

・メロディを壊さないようになるべくシンプルに

・元のコードから離れすぎない

・1−2小節目と3−4小節目が全く同じコードの繰り返しにならない

・5小節目のF7にスムーズに動ける

・ちょっと練習すればすぐに弾けるくらいの難易度

 

ダイアトニックだけど、これだけコードの変化があれば飽きないと思う。

楽器がある方は是非この「魔の4小節」に挑んでみて下さい!

 

ところで、父は弾けるようになったのだろうか・・・

www.youtube.com

音のテクスチャー Federico Mompou

テクスチャー

テクスチャーを辞書で引くと、生地、手触り、感触、質感などが出てくる。

それだけ聞くと音楽とは何も関係がなさそうだけど、「テクスチャー(Texture)」という言葉は音楽をやっていると、意外とよく耳にする。

例えば「もっとピアノらしいテクスチャーをストックしておいた方がいい」とか、そん感じによく聞くフレーズだ。

 

音のテクスチャー

たとえば服を作るとか、何か手で触れるものを作る場合の「テクスチャー」は辞書通りの意味でわかるけれど、音になるといまいちピンと来ないと思う。

でも音にも質感があると思いませんか?

たとえば高音域で弾くとキラキラした感じがしたり、低音域で弾くともっと温かみが増したり。(あくまで個人的な見解だけども・・)

音は手で触れないし見ることもできないけど、質感のようなものは存在するはずだ。

コットンやメタルや木だって、どうにかすれば弾けるかもしれない!

音のテクスチャーとは、そういったいろんな質感を出すフレーズだと私は思っている。

 

テクスチャーの作り方

①気になるフレーズをさがす

とは言っても、実体のないものをどうやって作ればいいのかわからない。

そんな時私は、自分の好きな作曲家や曲の印象的なフレーズを借りてくる。

今日はフェデリコ・モンポウ(Federico Mompou)先生の曲を参考にしてみる。

Suburbisの1番、動画の2:19あたり。


低音域から高音域に駆け上がるフレーズ、これを今日の「テクスチャー」にしようと思う。

このフレーズはとてもピアノらしくインパクトもあって華やかなのに、右手と左手を交互に弾くのでそんなに難しくない。

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左手と右手を交互に弾きながら、オクターブ上の全く同じ音を弾いている。

ちょっと試してみるとわかるけど、本当にそんなに難しくない。

 

②自分の好きな音に置き換える

構造が分かったら、次は自分の好きな音にかえてみる。

好きなコードでもスケールでも、なんでもOK。

ただ肝心なのは、自分が弾きやすい事。

これが意外と難しかったりする。

私が置き換えたのはこんな感じ。

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コードとしてはA♭m7

左手が3音、右手が4音で構造は全く一緒。

これでオリジナルテクスチャーが1つ完成。

簡単に弾ける割にはゴージャスに聞こえるので、Am♭7の時にオススメ。

 

③構造を少し変える

さらに発展させたい場合は、音だけでなく構造自体も少し変えてみる。

たとえば音の数を変えてみる。

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これは左手も右手も3音づつで、コードはC7♭9#11。

もっと簡単に言うとCトライド(3和音)の上にF#トライアドを乗せたものだ。

コード感がはっきりしているので、使いやすいと思う。

 

④もっともっと構造を変える

さらにさらに発展させたい場合は、さらにさらに構造を変えてみよう。

音数を左手2音右手3音に変え、右手を固定したまま左手に動きを出してみた。

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次は逆に左手を固定し右手に動きを出してみた。

このままでも十分曲になりそうな効果的な「テクスチャー」ができたと思う。

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たったこれだけの作業でも幾つかのテクスチャーを作る事ができる。

次の作曲や演奏などの機会に、ぜひ「自分のテクスチャー」を織り交ぜてさらにカラフルな曲にしてみて下さい!

 

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